20歳くらい
ちょうどこのくらいから嗜好に変化が訪れる
そのキッカケをくれたのは
一澤帆布のトートバッグだった
叔母が
「未使用のバッグが出てきたばってん
あんた、使うね?」
と
僕にくれたのがこのトート
御歳 20歳のバッグ
普通の黒のトートバッグ
一澤帆布
のタグが縫い付けてある
第1印象は
普通やん…
だった
ただ、叔母が渡すときにいろいろ
教えてくれた
・1905年創業の京都の老舗
・素材は帆船に使われる厚手の布
・雨が降っても水を弾き、丈夫な素材
とかとか…
そして最後に
「修理できるけん、
壊れたら京都に持って行きなさい。
気に入ったものは
長く使っていきなさい」
と教えられた
バッグならなんでもいいや!
貰えるものは貰っとこー精神の
僕であったが
それを聞いて惚れてしまった
なんてカッコいい製品なんだ…
と感銘を受けた
素材の特徴を生かした製品だからこそ
ありのままで勝負している様
素材の良さを壊さないように
必要最低限のオプションしか付けない様
今まで壊れたら新しいものを
という精神であったが
いい意味でぶっ壊してくれた
それから大学に毎日のように持っていった
友達からは
「何それ!小学生みたいなバッグやん!」
とか言われた
けれども、それを身につけている
自分に少し誇らしさすら感じた
あまりにも好きすぎて
卒業旅行で京都に行った際
友達に無理を言って
京都のお店に行って貰った
すごく良かった
鞄の漢字が
「革」ではなく「布」であることにも
感銘を受けた
今思えば、
このバッグの存在を知れたから
このバッグを生活の中に入れたから
ロングライフデザイン的な価値観を
自分の中に宿せたのではないのかなと思う
良いものを自分の周りに置く事は
生活を豊かにする
心にゆとりがもてる
それこそが
オシャレである
と感じる
学生のときに茶化された
「オシャレとは心の余裕である」
という
僕の中の大事な言葉は
強ち間違いではないと
年月を増すことに強い確信へと変わっている
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